正しい洗車のコツと道具選び
- 2023.07.20
- クリーニング
皆さんこんにちは。
今回は洗車のプロが普段行っている、正しい洗車のコツや手順について深堀させていただきます。
夏場は虫の死骸や鳥の糞がついたり、黄砂に吹かれて汚れる事も多いかと思います。
地域によっては冬場に融雪剤を撒いている道、鉄工所や線路が近い駐車場、風が強くて海が近い職場など、環境は場所によって大きく変わりますし車種によっても違いがハッキリと出るので、洗車をしても思い通りに綺麗にならなかった経験は誰もがお持ちのはずです。
そんな意外とシビアな洗車事情のちょっとした参考になれば嬉しいです。
まずは道具選び!何があればいいの?
まず、ご自宅やコイン洗車場でお車を洗車をする前に揃えておきたいアイテムについてご紹介致します。
こちらはカー用品店やネットで簡単に揃えることができるものなので1つづつ確認していきましょう。
基本はこの3つ!プラスα…
・手洗い洗車用グローブ
・水をある程度拭き取れるセーム
・拭き上げ用のクロス
※ここでは洗車用の泡や高圧ガンについては用意されているコイン洗車場を想定してお話させていただきます。
まずはボディの汚れを落とすために泡を広げながら車を撫でる道具としてグローブをご準備ください、洗車はスポンジでももちろん大丈夫ですがさらにきめ細かいムートン(羊毛)グローブの方がより丁寧に汚れを落とすことができるのでコーティング屋さんなどでも広く使われており、狭い所にも対応しやすくオススメです。
続いてセームです、汚れを落として泡を流した後は時間との勝負になってきます。
セームをつかって天井やボンネットといった平面の部分やガラスなどのシミが目立ちやすい場所の水分を先にある程度拭き取ってあげるとその後の拭き上げが素早く綺麗にできるので仕上がりにもはっきりと差が出てくると思います、最悪バスタオルなどでも対応できますがセームは濡れても絞れば何度でも使えるので車1台につき1枚で充分足りますのでこちらは是非ご準備してください。
そして3つ目が拭き上げ用のクロスですが、こちらには是非こだわって頂きたいです。
目の粗い普通のタオルだと砂などを巻き込んでしまうリスクが高くなったり、黒や紺色などの濃い色の車だと細かな線キズがついてしまうと非常に目立ってしまいますのでできればメガネやパソコン画面を拭くようなマイクロファイバーのものを使っていただけると綺麗に仕上がりやすくなります、また虫の死骸の痕なども拭き取りやすくなるメリットもあります。
色や大きさは特に指定はないので、洗車用に1~2枚程度欲しいところです。
こんなものがあると嬉しい
他にも洗車前や洗車後にできれば行いたい作業に必要な道具としていくつかご紹介します!
・付着した虫の死骸除去剤
・鉄粉除去の為のトラップ粘土
・ミネラル落とし
・下廻り洗車用グローブ
まず虫の死骸や鳥の糞は酸性の液体です。
放置すると車の表面のクリアと呼ばれる透明な皮膜が溶けていってしまうので放置してはいけません!洗車前に虫落とし用の溶剤を拭きかけて数分置いて置くと後から一生懸命擦る必要が無くなるので綺麗で便利です。
続いて鉄粉除去ですが、車には鉄粉が付着する場面が非常に多くあります。
この鉄粉を放置すると茶色の点が目立つだけでなく表面の水の流れを阻害してしまう為、洗車しても拭き取りがうまくできず乾いたら汚れも浮き出てくるような状態になってしまいますので、できれば鉄粉は除去したい所ですが、もしコーティングなどがかかっているとそのコーティングを剥がしてしまいますし鉄粉除去をした後の車は全く撥水がきかなくなるのでコーティングやワックスを施工する際に一緒に行うといいでしょう。
3つ目のミネラル落としですが車には鉄粉と同様にミネラル分が融雪剤や水道水の影響で付着している場合がたくさんあります。
こちらも水の流れを阻害して綺麗な拭き取りができなくなってしまう原因のひとつなので洗車時に一緒に除去してあげたい所。
各社から様々な商品がでていますがいまはコーティングなどを施行している車の上からでも使える万能なものが多くありますので販売店のスタッフにも相談しながら是非ご準備ください。
最後に下廻り用の洗車用グローブです。
ホイールやステップなどを洗うとやはり手洗いグローブも汚れます。
特に外車だとブレーキダストによって真っ黒になる場合も多いのでそのままボディーにも使うのは危険です、ボディーを洗う時用のものとわけて使用した方がキズの防止にもなりますのでオススメです。
どの道具や溶剤もネットやカー用品店の店頭に並んでいるものなので販売店のスタッフに聞いてみるといいでしょう、また気になる汚れやキズがある場合の対処法については無理せず一度コーティング屋さんなどで見てもらうのもいいですね。
正しい洗車で車を綺麗にする
それではいよいよ洗車のやり方について、徹底解説致します。
予備洗車
まずはボディーの上にのっている埃や砂などを軽く流しておきます。
この工程では汚れを落としきらなくて大丈夫ですがボディ全体を濡らすと同時にタイヤハウスや下廻りなどの泥はしっかり流してしまいましょう。虫落とし溶剤などを使う場合はこのタイミングでふきかけて少し放置します。
泡を吹き付ける
洗車用の泡をボディに吹き付けます。
この時にステップやアーチといった下廻りから先に吹き付けてください、その後ボディに吹き付けた泡は当然垂れて落ちてしまいますが先に下廻りに泡をつけて洗うことで垂れてきた泡を受け止める事ができるので無駄が減って時間の削減にも繋がります。
洗車
いよいよボディを洗っていきます。
まずは先程ご説明した通りステップ付近から1周ぐるっと洗ってください、この時強く擦ったりする必要はありません。
続いてボディの側面から1周洗っていきます、ルーフやボンネットについている泡は側面ほど重さで流れ落ちる事がないので最後で大丈夫です。できるだけ洗車用グローブの幅を有効活用して洗う事を意識してください。
洗い方としてはまずドア1枚分の枠を取ってその枠の中を埋めるように横方向に優しく擦るようにして洗います、最初に枠取を行うことでグローブを動かすスパンを短くすることが狙いです!同じ所を何度も通ったり強く擦る必要はないのでスピーディーに洗うことが綺麗にするコツとなりますね。
ホイールやエンブレムの周りも下廻り用グローブを使ってこの時洗っておきましょう、外車の場合はブレーキダストが多く付着しているのでしっかり撫でるように洗います、エンブレムも車種によっては非常に剥がれやすいものも多いので強く擦らず丁寧に洗ってください。
手の入らない細かい部分が気になる場合は毛先の柔らかい歯ブラシや小さく切ったスポンジで洗うのがオススメです。
泡を流す
全体をしっかり洗い終わったら水で洗い流します。まずは上から下に流すことを意識してください、この時に何度も同じ所を通らずに洗車ガンから出ている水の幅を有効活用しできるだけ同じ方向に流していきます、そうする事で泡が綺麗に落ちていき時間の短縮につながります。
ある程度流し終わったらステップやフロントグリルのような細かくて泡が入りやすい場所を入念に流しましょう。特にフロントグリルは汚れや泡が残っていて後からシミになると拭き取りが非常に面倒なのでしっかり流します、洗車ガンを近づけすぎてラジエーターコアを傷つけないように注意です。
また、ミネラル除去や鉄粉除去などを行う場合は泡を流したあとの濡れたボディで行う場合が多いです、ご利用になる溶剤の使い方を確認ください。
荒拭き
流し終わったらセームを使ってある程度の水を拭き取ってしまいましょう。
ボンネット→天井→横窓→ドアの順番で行うと素早く綺麗に仕上がります、この後拭き上げを行うので水滴残りやステップなどの細かいところはセームの段階では拭かなくても大丈夫です
拭き上げ
いよいよ拭き上げです。
キメの細かいクロスを使いますが拭き取りにくい場合は一度洗濯するか水につけて固絞りしてからご利用ください。
クロスの動かし方は基本的には洗車グローブと同じ動きになります、あくまで拭き取りができる幅はクロスの大きさ分ではなく力の入っている手のひらの大きさである事を忘れずに行うと拭き残しが減りますので意識してみましょう。
注意点として窓とボディはクロスを分けた方がいいでしょう同じクロスだと砂などで傷が入るリスクがありますのでまずはボディを拭いてその後ガラスに移ります。
全体を拭き終わったらドアやボンネットを開けて縁を拭いていきますが構造上水が残りやすい箇所なのでここはクロスではなく吸水のいいタオルでも大丈夫かと思いますのでご自由に選択してください、最後にグリルやホイールも拭いて水滴残りを確認して完成です。ミラーやスポイラー、ナンバーの下などは特に水が垂れてシミになりやすいので注意が必要ですね。
これで洗車は一通り完了です。
最後に①~⑥の工程以外の注意点をいくつかまとめたので洗車前や後に確認してみましょう。
時間と場所
洗車は水が乾いてシミにならないように素早く行うことが重要です、故に昼間の炎天下の下だと尚更難しくなってしまいますのでできるだけ朝の早い時間や夜に行うか屋根のある環境で行いたい所です。
ミネラルや鉄粉
冒頭でも紹介しましたがこれらが付着していると洗車しても綺麗にならない場合が多いです。
また、工事現場の横などを通るとタールが着いていたりする場合もあります、やみくもにポリッシャーをかけて研磨する事を考える方も多いですが研磨は塗装を痛める行為なのであまりやりすぎない方が賢明です。
研磨をしても無駄な場合や逆にそこまでする必要のないシミなんかもあるのでいまの状態をはっきりと診断するためには一度コーティングや洗車の専門店に持ち込んでプロの目に見てもらうのもご検討ください。
コーティング施行車の扱い
コーティングは固さや素材が様々ですのでものによって扱い方や特徴が変わります、コーティングは生きていて水弾きの復活やシミの除去も簡単にできるのに勘違いしてコーティングが落ちた、剥がれたと思う方も。
間違った解釈でコーティングを痛めてしまう溶剤や剥がしてしまう行為も沢山ありますのでメンテナンスの方法は必ずコーティングを施行したお店やメーカーに確認しておきましょう。
お店選び
余談ですがもしコーティングをかけたり洗車や診断を任せるとしてもお店選びはかなり大事です、こちらの技術や正しい知識は経験と勉強から得られるので近いところや馴染みの所ではなく普段の施行台数やHPの稼働状況、口コミなどを頼りに妥協せず選んでください。
いかがだったでしょうか?
普段の洗車もつきつめると奥が深くて仕上がりにも時間にも大きな差が出ます、長く綺麗に乗り続ける為にはなにをどうしたらいいのか。
様々な溶剤やアイテムが販売されていますが正しい知識と洗車のやり方を知る事で今何が必要なのかがはっきりわかるでしょう。
愛車が綺麗になっていくのは嬉しいですよね、是非この感動を皆さんにも感じて欲しいと思いますので今回の記事を参考にしていただけたら嬉しいです。
執筆:清水 誠一